【DAZN観戦】16本打って、0点。12本で、3点を獲られた|琉球 3-0 北九州

アイキャッチ|琉球 3-0 北九州 テレビ観戦
アイキャッチ|琉球 3-0 北九州

画面の前では、そんなに悪い試合に見えなかったんです。
ボールは持てている。相手陣内にも入れている。前半を0-0で折り返したときも、これは十分やれる、と思っていました。
終わってみたら、0-3でした。

台風で流れた開幕節が、1か月遅れでやってきた

2026年9月9日(水)、沖縄県総合運動公園陸上競技場。明治安田J3リーグ第5節……ではありません。

この試合は、第1節です。

本来は8月8日(土)18時にキックオフされるはずだった開幕節。それが台風13号の影響で中止になり、1か月遅れの水曜日、19時03分に代替開催されました。

だから北九州にとっては、これが今季6試合目でありながら「第1節」。順位表の並びも少しややこしいことになっています。

晴れ、気温27.8℃、湿度86%。9月の沖縄です。主審は石丸秀平さん。

入場者数は、1,026人でした。琉球の今季ここまでの平均は6,193人。平日の水曜19時、しかも延期分となると、こうなってしまうのだと思います。それでも1,000人を超える人が沖縄県陸に足を運んでいる。画面越しに、そのことのほうが私には印象的でした。

前半0-0。でも、枠に飛んだのは1本だった

前半は、たしかに競っていました。

北九州は4-2-3-1。GK谷口璃成、最終ラインは神橋良汰・奈良坂巧・星広太・官澤琉汰。中盤に吉長真優、岡野凜平、平松昇、吉原楓人。前に永井龍と髙橋大悟。前節の愛媛戦から6人を入れ替えた布陣でした。

開始1分に岡野、9分に星がシュート。相手ゴール前まで運べています。

ただ、ハーフタイムのスタッツはこうでした。

前半終了時点 北九州 琉球
シュート 5 8
枠内シュート 1 3

打ってはいる。でも枠に飛んだのは、5本のうち1本だけ。30分の吉原楓人のシュート、あれだけでした。

私が「今日は枠に飛んでいないな」と感じていたのは、たぶんこの前半45分の記憶なんだと思います。そして、その感触は前半に関しては正しかった。

52分、加藤悠馬。そこから7分と12分

後半7分、52分でした。

井堀二昭の仕掛けから、加藤悠馬。浮き球を胸でトラップして、落ち着いて流し込まれました。0-1。

それでも北九州は前に出ています。63分に岡野を下げて井澤春輝、72分には吉原に代えて坪郷来紀、永井に代えて吉田晃盛。攻撃的なカードを続けて切りました。

ところが77分。途中出場の幸喜祐心が上げたクロスに、石浦大雅が頭で合わせました。0-2。

そして89分。68分から入っていた上野瑶介が、GK谷口璃成と1対1に。ループシュートで頭上を越されて、0-3。

胸トラップから、ヘディングから、そしてGKとの1対1から。形はすべて違いました。共通していたのは、決めるべきところで決めたということだけです。

16本打って、0点。12本で、3点

この試合を一行で説明できる数字があります。

項目 北九州 琉球
シュート 16 12
枠内シュート 6 7
得点 0 3
ボール支配率 56% 44%

シュートは北九州のほうが4本多い。ボールも56%持っていた。それでも0-3。

琉球の枠内7本のうち、3本がゴールになりました。枠内シュート決定率、42.9%。

北九州は枠内6本で、0点。

決めるべきところできちんと決められるチームが勝つ。単純な話ですが、この試合に関しては本当に、その一行で説明がついてしまいます。

ただ、ひとつだけ補足させてください。

後半だけを見ると、北九州は11本のうち5本を枠に飛ばしています。79分と83分の坪郷来紀のシュートは、GK佐藤久弥がセーブしています。66分の髙橋大悟、79分の吉長真優も枠内。

「枠に飛ばなかった」のではなく、「枠に飛んだものが、GKを越えられなかった」。後半に関しては、そういう試合でした。

実際のシーンは、クラブ公式のハイライトで見られます。

オフサイド6回。半歩、早い

もうひとつ、気になった数字があります。

オフサイドが、北九州6回に対して琉球2回。永井龍が17分と44分、吉原楓人が19分と27分、吉長真優が40分、髙橋大悟が75分。

抜け出そうという意識は、ずっとあったんだと思います。ただ、そのたびに半歩早い。裏を狙う姿勢そのものは悪くないので、あとはタイミングだけ、という見方もできます。

警告は北九州が1枚。49分、平松昇。

※オフサイドの回数は、J.League公式のスタッツ表が未入力のため、テキスト速報から積み上げた数字です。

田中遼太郎監督「相手の方が一枚、二枚上手だった」

試合の翌日、クラブ公式にマッチレビューが掲載されました。田中遼太郎監督の言葉です。

「平日にもかかわらず、北九州から本当にたくさんのサポーターの方に来ていただいて、

最後まで声援を送ってくれました。それになんとか応えようと選手たちは最後まで頑張って

くれたと思いますが、こういう結果になって非常に申し訳ない気持ちです」

前半の課題については、こう話しています。

「守備ではやられないように、もっと高い位置で奪う回数が増えるように。

攻撃はボックス内に入っていく、シュートを打っていく。

そういうところは前半も含めて課題だったと思います」

前半のシュート5本、枠内1本という数字と、きれいに重なります。画面の前で私が感じていたもどかしさは、ベンチからも同じように見えていたということなんだと思います。

そして、失点のあとについて。

「我々が仕留め切れない中で失点をしてしまったと思っています。(中略)失点した後の

ゲーム運び、2点目、3点目を取られたところはもっともっと粘り強くやらなければ

いけないと思いますし、そこから跳ね返す力をつけないといけません」

琉球について聞かれたときの答えが、この試合をいちばん端的に表していると思います。

「今日の失点を見ても分かる通り、うまい相手にどれだけ食らいついていけるか。

(中略)相手の方が一枚、二枚上手だったと思います」

連戦も、日程も、審判も持ち出していません。相手が上だったと、それだけを言っている。悔しい負け方をした翌日にこう言えるのは、簡単なことではないと思います。

永井龍「1つ勝てば、何か変わる」

この試合でいちばん強い言葉は、永井龍のものでした。

「自分たちの時間帯もありましたし、チャンスも作れた中で決め切れないところが

今回の敗戦につながったと思います。自分が決め切れるシーンもたくさんあったので、

そういうシーンを決め切れるストライカーにならないといけません」

16本打って0点。その16本の中に、自分のシュートがあった。そのことを、自分の課題として引き受けています。

何が足りないのかを聞かれて、こう答えていました。

「みんなの勝ちたい気持ちがないわけではないですし、気持ちが緩んでいるわけでもないです。

あと一歩の質、止める蹴るなどサッカーの部分、そういうところを

一人ひとりが上げていくことが大事だと思います」

そして、次の試合について。

「今連敗していますが、1つ勝てば何か変わると思います。

絶対に引き分けではなく勝たないといけません」

私も、同じことを思っていました。ひとつ勝てば、そこから変わる。それを、ピッチに立っていた35歳が言っている。少しだけ、気持ちが軽くなりました。

永井龍は前節の愛媛戦で、J通算250試合出場を達成しています。その節目について聞かれたときの言葉も、引いておきたいと思います。

「怪我もありましたし、腎臓を怪我して死にかけたこともありました。(中略)

それでも辞めずにコツコツ頑張ってきたところが今に出ていると思います」

谷口璃成の初先発と、平松昇の帰郷

この試合には、ふたつの個人的な物語がありました。

ひとつは、GK谷口璃成。今季のリーグ戦では、これが初めての先発でした。先発を知ったのは前日だったそうです。

「もしかしたら来るだろうなというその雰囲気も感じていました。すごく気持ちも高ぶって

いました。こういうリーグ戦で勝点が動くゲームで、思い切り自分の良さを出していかないと、

チームとしても個人としても上がっていけないと思います」

結果は3失点。3点目は、その谷口との1対1をループシュートで越されたものでした。

「3失点というところは重く受け止めないといけないですし、キーパーとして90分を0で守る

というのは、一番大事にしないといけないところだと思います」

それでも、最後の言葉はスタンドに向いていました。

「サポーターの皆さんに本当に前向きな言葉をかけていただいて、今は申し訳ない気持ちで

いっぱいです。本当に力になっているので、応援していただけるようなプレーを

やっていかないといけません」

もうひとつは、平松昇。2025年まで琉球でプレーしていた選手が、沖縄に戻ってきた試合でもありました。

「久しぶりに沖縄でのプレーでしたが、琉球は自分の中でも一番思い入れのあるチームなので、

スタジアムに着いた瞬間からいろいろな思いが込み上げてきました。その中でも、

もう一度ここでプレーできる幸せを感じながら楽しんでプレーすることを意識して

試合に臨みました」

その平松が、0-1から0-3までの25分間を、ピッチの中から説明してくれています。

「決め切るところで琉球に1つ上回られ、失点したあとに前がかりになったところを

逆手にとられて2点目、3点目まで失ってしまいました」

「失点後はチーム全体に焦りが出て、一つひとつのプレーにもそれが表れていたと思います。

そこで自分が時間を作ったり落ち着かせたりして確実に攻撃するためのきっかけを

作れれば良かったです」

ちなみに、この試合の警告1枚は、その平松のものでした。49分。古巣を相手に、いちばん体を張っていた選手だったのかもしれません。

もうひとつ付け加えると、琉球の高柳郁弥は、2025年に北九州へ期限付き移籍していた選手です。この日は琉球の中盤で先発していました。沖縄県陸のピッチには、お互いの元同僚が立っていたことになります。

琉球は、なぜ決めきれたのか

相手側のコメントも読んでみました。答えらしきものが、そこにありました。

FC琉球・平川忠亮監督です。

「攻撃に関しては、相手の背後へのアクションやクロスに対して

逆サイドの選手が入っていくことを徹底できたことが形になったかなと思います」

2点目が、まさにそれでした。幸喜祐心のクロスに、逆サイドから入ってきた石浦大雅が頭で合わせている。徹底してきたことが、そのまま得点の形になっています。

その石浦は、こう話しています。

「日々の練習から一人ひとりが、『複数得点して無失点で勝つんだ』と、

こだわりを強く持てるようになってきたと感じています」

そして平川監督は、この1か月についても触れていました。

「開幕戦が台風で延期になりましたが、この1カ月間の成長は大きかったと思っています。

今日はその積み上げの成果を発揮できた試合になりました」

同じ台風で、同じ1か月を待たされた。その1か月を、琉球は積み上げの時間に変えていた。これは、素直に受け止めなければいけないところだと思います。

5試合で0勝3分2敗。19位

これで2026/27の明治安田J3リーグは、5試合を終えて0勝3分2敗、勝点3で19位。得点5、失点10。

節 日付 結果
第2節 8/15(H) 北九州 0-0 讃岐 △
第3節 8/22(A) 栃木SC 2-2 北九州 △
第4節 8/30(H) 北九州 1-1 松本 △
第5節 9/5(A) 愛媛 4-2 北九州 ●
第1節 9/9(A) 琉球 3-0 北九州 ●

リーグ戦、まだ勝てていません。

この試合に関しては、もうひとつ飲み込みにくい事実があります。

北九州は琉球に、直近5試合すべて勝っていました。2024年7月から2026年4月まで、5連勝。通算でも8勝2分6敗と勝ち越している相手です。その連勝が、0-3で止まりました。

次は9月12日、ホームで鳥取

中2日で、次が来ます。

9月12日(土)18時、ミクニワールドスタジアム北九州でガイナーレ鳥取戦。J3第6節、ホームゲームです。

沖縄から北九州へ、そして中2日。決して楽な日程ではありません。

相手のガイナーレ鳥取は5試合2勝1分2敗、勝点7で11位。ただし直近の9月5日、ホームでレノファ山口に0-3で敗れています。後半の枠内シュートは1本だけだったそうです。少しだけ、こちらの琉球戦と似た負け方でした。

田中監督は、こう締めくくっています。

「個人としてもグループとしてもチームとしても、何が課題なのかをしっかり整理して、

次はホームで試合ができるのでそこでまた戦える姿、たくましい姿を

見ていただけるように挑戦していこうと思います」

16本打って、0点。

この数字を、次はひっくり返してほしい。

ミクスタで。

この日の記録

項目 内容
大会 2026/27 明治安田J3リーグ 第1節(8月8日から延期)
日時 2026年9月9日(水)19:03 キックオフ
会場 沖縄県総合運動公園陸上競技場
スコア FC琉球 3-0 ギラヴァンツ北九州(前半0-0/後半3-0)
得点 52分 加藤悠馬(琉)/77分 石浦大雅(琉)/89分 上野瑶介(琉)
入場者数 1,026人
天候 晴/27.8℃/湿度86%
主審 石丸秀平
警告 北九州1枚(49分 平松昇)/琉球0枚 退場なし

※監督・選手のコメントは、ギラヴァンツ北九州公式サイトのマッチレビュー、J.League公式の選手コメント、FC琉球公式サイトから引用しています。

※アシスト、パス成功率、ゴール期待値(xG)は、この記事を書いた時点では公表されていません。公開されしだい追記します。

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